バージョン 20.2

Infragistics 標準偏差計算式

このトピックでは Infragistics Math Calculators ライブラリの一部である StandardDeviationCalculator を紹介し、コード例と共に数の集合に対する 母標準偏差の計算方法を説明します。

概要

トピックは以下のとおりです。

概要

標準偏差は平均の周囲のデータセットの分散を測定します。標準偏差の計算は値の平均からどの程度の差異があるかを示すために使われます。標準偏差の高い値はデータ セットの多くが幅広い値に散らばっていることを示し、一方小さい標準偏差は数値がデータ セットの平均近くに多くあることを示します。

標準偏差式

標準偏差は変数と平均の間の平方差の合計 ( Infragistics Mean Calculator トピックを参照) の平方根を集合の総数で割って得られます。また、標準偏差は数値の集合の バリアンス ( インフラジスティックスのバリアンス計算 トピックを参照してください) の平方根と同値です。

IG Math Std Deviation Calculators 01.png

図 1 - 標準偏差計算のための式

凡例

説明

IG Math Std Deviation Calculators 02.png

データセットの標準偏差を表す

IG Math Std Deviation Calculators 03.png

データセットの平均を表す

IG Math Std Deviation Calculators 04.png

データセット中の i インデックスでの変数を表す

IG Math Std Deviation Calculators 05.png

データセットの合計数を表す

標準偏差計算プロパティ

このセクションでは StandardDeviationCalculator クラスのプロパティのリストを提供します。

プロパティ名 プロパティ タイプ 説明

ItemsSource

計算のためのデータ項目のソースを取得または設定します。

ValueMemberPath

string

データ項目の Value メンバー パスを取得または設定します。このプロパティはデータ項目の数値プロパティの名前にマップされなければなりません。

Value

double

計算の ItemsSource プロパティにバインドされたデータ項目の標準偏差を取得または設定します。

要件

アセンブリの要件

StandardDeviationCalculator を使用するためには、次のアセンブリを WPF プロジェクトに追加する必要があります。

アセンブリ 説明

InfragisticsWPF4.Math.Calculators.v20.2.dll

相関、平均、中央値、標準偏差、など多くの数学的値を計算するための数学演算を含む Ultimate UI for WPF アセンブリ。

InfragisticsWPF4.Math.v20.2.dll

標準的な数学定数と多様な数学的なオブジェクトで機能するように設計された汎用的な数学関数を含む Ultimate UI for WPF アセンブリ。

InfragisticsWPF4.v20.2.dll

Infragistics アセンブリによって使用される共有機能を含む Ultimate UI for WPF アセンブリ。

データ要件

StandardDeviationCalculator はデータ バインディングのための ItemsSource プロパティとデータ マッピングのための ValueMemberPath プロパティを使用します。次の要件に合致するオブジェクトはすべてこのプロパティにバインドできます。

  • データ モデルは IEnumerable インターフェイス (たとえば リストコレクションキュースタック) を実装しなければなりません。

  • データ モデルには標準偏差を計算するために少なくとも 1 つの数値データ列をもつ項目がなければなりません。

上記の条件を満たすオブジェクトの例が次のコード例に示されています。

Visual Basic の場合:

Imports System.Collections.Generic
'...
Public Class DataPointList
    Inherits List(Of DataPoint)
    Public Sub New(dataValues As IEnumerable(Of Double))
        For Each value As Double In dataValues
            Me.Add(New DataPoint() With { Key .Value = value })
        Next
    End Sub
End Class
Public Class DataPoint
    Public Property Value() As Double
        Get
            Return _value
        End Get
        Set
            _value = Value
        End Set
    End Property
    Private _value As Double
End Class

C# の場合:

using System.Collections.Generic;
//...
public class DataPointList : List<DataPoint>
{
    public DataPointList(IEnumerable<double> dataValues)
    {
        foreach (double value in dataValues)
        {
            this.Add(new DataPoint { Value = value});
        }
    }
}
public class DataPoint
{
    public double Value { get; set; }
}

この例は StandardDeviationCalculator を用いて数値の集合の標準偏差を計算する方法を説明しています。StandardDeviationCalculator は視覚的な要素で、データソースまたは変数を定義するのと同じようにアプリケーション、ページ、コントロール、またはコードビハインドに関してリソース セクションに定義する必要があります。さらに、Series オブジェクトの誤差範囲を計算するために、StandardDeviationCalculator を xamDataChart™ コントロールに統合する方法を例示する シリーズ誤差範囲トピックを参照してください。

Note

注: 以下の例は、プロジェクトで必要なすべてのアセンブリを追加したことが前提となっています。

Visual Basic の場合:

Imports Infragistics.Math.Calculators
'...
Dim data As New DataPointList(New List(Of Double)() From { 5.0, 1.0, 2.0, 3.0, 4.0 })
Dim calculator As New StandardDeviationCalculator()
calculator.ValueMemberPath = "Value"
calculator.ItemsSource = data
Dim standardDeviation As Double = calculator.Value

C# の場合:

using Infragistics.Math.Calculators;
//...
DataPointList data = new DataPointList(new List<double> { 5.0, 1.0, 2.0, 3.0, 4.0 });
StandardDeviationCalculator calculator = new StandardDeviationCalculator();
calculator.ValueMemberPath = "Value";
calculator.ItemsSource = data;
double standardDeviation = calculator.Value;