バージョン

Infragistics 中央値計算式

このトピックでは Infragistics Math Calculators ライブラリの一部である MedianCalculator を紹介し、コード例と共に数の集合に対する中央値の計算方法を説明します。

概要

トピックは以下のとおりです。

概要

中央値は、データセットの「中点」を決めるのに使われる数学的計算で、平均計算ほど外れ値に影響を受けません。つまり、データセットのいくつかの非常に高い値または非常に低い値にあまり影響されません。データ集合の値の半分は、中央値よりも上に分類され、半分は下に分類されます。中央値は代表値の測定のひとつで、他の計算としてはモードと平均があります (インフラジスティックスの平均計算トピックを参照) 。

メソッド式

中央値は数値の集合を並べ替え、集合のデータ ポイント数が奇数であれば真ん中の値を返します。集合に偶数のデータ ポイントがある場合、中央値は並べ替えた (昇順または降順で) 時に 2 つの中間データ ポイントの平均です。

IG Math Median Calculators 01.png

図 1 - 中央値計算のための式

凡例
IG Math Median Calculators 02.png
  • データセットの中央値を表す

IG Math Median Calculators 03.png
  • 並べ替えたデータセットの i インデックスでの変数を表す

IG Math Median Calculators 04.png
  • 並べ替えたデータセットの中央インデックスでの変数を表す

IG Math Median Calculators 05.png
  • データセットの合計数を表す

中央値計算プロパティ

このセクションでは MedianCalculator クラスのプロパティのリストを提供します。

プロパティ名 プロパティ タイプ 説明

ItemsSource

計算のためのデータ項目のソースを取得または設定します。

ValueMemberPath

string

データ項目の Value メンバー パスを取得または設定します。このプロパティはデータ項目の数値プロパティの名前にマップされなければなりません。

Value

double

計算の ItemsSource プロパティにバインドされたデータ項目の中央値を取得または設定します。

要件

アセンブリの要件

MedianCalculator を使用するためには、次のアセンブリを WPF プロジェクトに追加する必要があります。

アセンブリ 説明

InfragisticsWPF4.Math.Calculators.v20.2.dll

相関、中央値、バリアンスなど多くの数値を計算するための数学計算式を含む Ultimate UI for WPF アセンブリ。

InfragisticsWPF4.Math.v20.2.dll

標準的な数学定数と多様な数学的なオブジェクトで機能するように設計された汎用的な数学関数を含む Ultimate UI for WPF アセンブリ。

InfragisticsWPF4.v20.2.dll

Infragistics アセンブリによって使用される共有機能を含む Ultimate UI for WPF アセンブリ。

データ要件

MedianCalculator はデータ バインディングのための ItemsSource プロパティとデータ マッピングのための ValueMemberPath プロパティを使用します。次の要件に合致するオブジェクトはすべてこのプロパティにバインドできます。

  • データ モデルは IEnumerable インターフェイス (たとえば リストコレクションキュースタック) を実装しなければなりません。

  • データ モデルには中央値を計算するために少なくとも 1 つの数値データ列をもつ項目がなければなりません。

上記の条件を満たすオブジェクトの例が次のコード例に示されています。

Visual Basic の場合:

Imports System.Collections.Generic
'...
Public Class DataPointList
    Inherits List(Of DataPoint)
    Public Sub New(dataValues As IEnumerable(Of Double))
        For Each value As Double In dataValues
            Me.Add(New DataPoint() With { Key .Value = value })
        Next
    End Sub
End Class
Public Class DataPoint
    Public Property Value() As Double
        Get
            Return _value
        End Get
        Set
            _value = Value
        End Set
    End Property
    Private _value As Double
End Class

C# の場合:

using System.Collections.Generic;
//...
public class DataPointList : List<DataPoint>
{
    public DataPointList(IEnumerable<double> dataValues)
    {
        foreach (double value in dataValues)
        {
            this.Add(new DataPoint { Value = value});
        }
    }
}
public class DataPoint
{
    public double Value { get; set; }
}

この例は MedianCalculator を用いて数値の集合の中央値を計算する方法を説明しています。MedianCalculator は視覚的な要素で、データ ソースまたは変数を定義するのと同じようにアプリケーション、ページ、コントロール、またはコードビハインドに関してリソースセクションに定義する必要があります。MedianCalculator を xamDataChart コントロールに統合する方法についての例は 値オーバーレイ トピックを参照してください。

Note

注: 以下の例は、プロジェクトで必要なすべてのアセンブリを追加したことが前提となっています。

Visual Basic の場合:

Imports Infragistics.Math.Calculators
'...
Dim data As New DataPointList(New List(Of Double)() From {     5.0, 1.0, 2.0, 3.0, 4.0 })
Dim calculator As New MedianCalculator()
calculator.ValueMemberPath = "Value"
calculator.ItemsSource = data
Dim median As Double = calculator.Value ' 中央値は 3

C# の場合:

using Infragistics.Math.Calculators;
//...
DataPointList data = new DataPointList(new List<double> { 5.0, 1.0, 2.0, 3.0, 4.0 });
MedianCalculator calculator = new MedianCalculator();
calculator.ValueMemberPath = "Value";
calculator.ItemsSource = data;
double median = calculator.Value; // 中央値は 3