.NET Frameworkのサポート状況
.NET Framework の最終バージョンである .NET Framework 4.8 が 2019年4月にリリースされました。現段階ではサポートの終了はまだ宣言されていませんが、後継となる .NET 5 が登場している背景を考えると、将来的にサポートが終了となる可能性は高いでしょう。そういったリスクを回避する観点から、.NET Framework のサポート期間中に後継の .NET 5 への移行をおすすめします。

廃止されたレガシーテクノロジー
.NET 5 への移行に関して、特に大きな影響があるのは、廃止されたテクノロジーがあることです。以下のレガシーテクノロジーは .NET 5 ではサポートされません。
- Windows Communication Foundation (WCF)
- Windows Workflow
ASP.NET Web Forms や WCF は現行でも利用しているアプリケーションが多くありますが、.NET 5 への移行の際には、改修が必須となります。
ASP.NET Web Forms からの移行
ASP.NET Web Forms からの移行に関して、ユーザーインターフェースの互換性が高いプラットフォームがありません。そのため、ユーザーインターフェースを作り直す必要があります。その際、移行先のプラットフォームの選択をどうすべきか? 下記のチェックリスト項目を検討するポイントとなります。
- 移行コストをどの程度許容できるか?
- マイクロソフトテクノロジーが最適か?
- モダンな画面を構築する必要があるか?
- レスポンシブ対応が必要か?
- パフォーマンスを重視するソリューションか?
- 既存の資産 (作成したライブラリ) を再利用したいか?
- アプリケーションの移行コストを押さえるのか?
弊社では、ASP.NET Core MVC に対応した製品や、Angular / React / WebComponents などのモダンなプラットフォームに対応した製品等をご用意しております。
WCF の移行
WCF の移行先としては、ASP.NET Core Web API (REST API) もしくは gRPC が挙げられます。
- アプリケーションの移行コストを抑えたいか?
- 新しい通信技術を採用して、新たなメリットを享受したいか?
- クライアント側の通信技術に制約があるか?
移行コストをなるべく低く抑えたいのであれば ASP.NET Core Web API、コストは発生するが、新しい通信技術を採用し、メリットを享受したい場合には gRPC をおすすめします。
.NET 5 移行の影響 (全般)
.NET Framework から .NET 5 への移行で、レガシーテクノロジーの廃止以外で影響があるのは以下です。
- ライブラリの管理方法
- 一部の API やコントロールの廃止、もしくは仕様変更
ライブラリ管理方法に関して、 .NET Framework は、利用するライブラリを 個々のライブラリの参照追加を行う事が主流でしたが、.NET 5 ではNuget による管理となりました。Nuget により必要なライブラリの依存関係をより正確に管理することができます。
一部のAPI の廃止、仕様変更などもあります。特にWindows Forms では、.NET Framework で利用が出来ていた一部のコントロール (DataGrid) などが廃止されました。
移行のご支援
弊社では .NET Framework から .NET 5 への移行に伴うご相談を承っております。
上記で掲げた .NET 5 に関する検討ポイントを踏まえ、お客様の現行システムをヒアリングすることで、より最適な移行計画のご支援などを行っております。
- 移行先のプラットフォームに関するご相談
- 移行先のプラットフォームに対する技術トレーニングによるフォローアップ
- 最適な移行ツールのご提案
- レガシーテクノロジーのご相談
ぜひ、お気軽にご相談ください。