//BUILD カンファレンスの開催中におそらく多くの方がご覧になった通り、マイクロソフトは、Windows の次期バージョンに関するロードマップ、ならびに、今後のマネージ言語、XAML、および全体的なアプリケーション プラットフォームに関するプランを明らかにしました。今回のカンファレンスのキーノートにおけるテーマは「Windows の再創造」でした。われわれの見るところ、今回のカンファレンスはこのテーマを大きく超えて「マイクロソフトの再創造」に近いものになっています。今、非常にエキサイティングな時期を迎え、アプリケーションの分野には新たなビジネス チャンスが無数に存在しています。このため、まさにマイクロソフトが Windows 8 の製品リリース プロセスを進めているこの時期を利用して、インフラジスティックスがカスタマーのみなさんのためにどのような作業計画を建てているかをお伝えしたいと思います。

もしまだご覧になっていなければ、是非、キーノート (英語) をご覧になり、新たなフォームおよびタブレットの世界で何が起こっているかをご自分の目で確かめ、Windows 8 で本領を発揮することになる新しい UI パターンがどのようなものであるかをご確認ください。

Windows 8 はインフラジスティックスの提供するプラットフォーム、ツール、コントロールの未来にとってどのような意味を持つか

インフラジスティックスは、//BUILD に招待された数少ないベンダーの 1 社として、この 4 日間のショーの開催中、Windows 8 および新しい Metro スタイル アプリケーションについて多くのカスタマーとお話をさせていただき、今後の展望をお伝えました。すでにプレス リリース (英語)は掲載しておきましたが、この機会を利用して、今週マイクロソフトが以下のような Q&A 形式で触れた主なトピックについて、インフラジスティックスの立場を明らかにしようと思います。下の Q&A は、インフラジスティックスが現場で耳にした疑問をまとめたものです。そのほかにもご不明の点があれば、インフラジスティックスの開設した Windows 8 & WinRT フォーラム (英語)までお気軽にご質問をお寄せください。ご投稿があり次第回答させていただきます。また、ご不明な点がございましたら、japansalesgroup@infragistics.com までご連絡ください。

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  • WinRT とは?
    Metro アプリケーションを構築する場合、今回初めて登場した WinRT (Windows Runtime) がターゲットになります。WinRT は、新たな Windows 8 シェル エクスペリエンスを実現するクライアント側の API セットです。//BUILD の基調講演で発表された下の図は、Windows 8 において WinRT と .NET がどのような形で開発者のエクスペリエンスに組み込まれるのかを示すものです。



    この図を見ると、アプリケーションを構築する際には 2 つの選択肢があることが分かります。Metro スタイル アプリケーションと Desktop アプリケーションです。Microsoft は、Metro スタイル アプリケーションの構築用言語として、主要な UI/言語オプション (C、C++、C#、VB、JS、HTML、CSS、XAML 等) をすべて網羅しました。Metro スタイル アプリケーションの構築用言語から除外された言語は無いため、好みの言語を選択できるようになっています。

    WinRT と Metro スタイル アプリケーションの概要については、以下の //BUILD セッションをご覧ください。

  • Silverlight は今後どうなるのでしょうか?
    Silverlight 5 はまだリリース候補の段階ですが、今年度中にこれがリリース版として正式採用されることを期待しています。インフラジスティックスでは通常の Silverlight サポート ポリシーに従う予定です。したがって、最新および将来のバージョンの NetAdvantage for Silverlight および NetAdvantage for Silverlight Data Visualization は、Microsoft から出される最新のリリース版 Silverlight ランタイムをターゲットとしたものになります。

    インフラジスティックスでは、Silverlight および WPF 製品を出荷・サポートしつづけ、リリース 11.2 には優れた新機能を数多く盛り込む予定です。さらに、そのあと 3 週間ほどでリリース 12.1 の作業に取り掛かるというスケジュールを立てています。また Silverlight および WPF に対する投資を続け、カスタマーの皆様に継続的な製品サポートと毎月のサービス リリースを提供する予定です。リリース 11.2 で提供される機能の概要については、ここをご覧ください。使用可能なコントロールと一般的な XAML エクスペリエンスに関する概要については、この //BUILD セッションをチェックしてください。

  • WPF と Silverlight はマージするのでしょうか?
    「マージする」とも言えますし、「マージしない」とも言えます。新しい Windows 8 ワールドでは、VB、C#、C、および C++ でコーディング可能なネイティブな XAML UI が 1 つ存在します。Windows 8 をターゲットとした Metro スタイルのアプリケーションを構築する場合、ネイティブな XAML (または、HTML5/CSS3) を使用することができます。Windows Desktop をターゲットとしたアプリケーションを構築する場合、WPF、Silverlight、Windows Forms、または任意の .NET 言語および UI テクノロジーを選択することができます。ネイティブな WinRT XAML は Silverlight/WPF における XAML と似てはいますが、同じものではないということを念頭に入れておく必要があります。ネームスペースに違いがあり (WinRT に含まれるものはすべて Windows 固有のネームスペースを使用します)、また、メソッドのシグネチャが異なる場合もあります。このため、XAML ベースのアプリケーションをデスクトップから Metro スタイルに移植する場合には、この違いを理解しておく必要があります。//BUILD では、簡単なネームスペースの変更によって Silverlight から Metro へ移植され、その XAML、データバインディング、およびコード ビハインドが問題なく動作しているアプリケーションの例が数多く示されました。

    新しい WinRT で使用されるネイティブな XAML に関しては、全体として 1 つのセットとなる素晴らしいセッション群が存在します。この検索ページはそうしたセッションをまとめたものです。

  • WinRT XAML アプリケーションのパフォーマンスはデスクトップ WPF アプリケーションよりも向上するのでしょうか?
    ここではまだテストを行っていませんが、ビルドから持ち帰った情報を総合すると答えは「No」です。単に Metro スタイルのアプリケーションへ移行するだけではパフォーマンスの大きな向上は期待できないと思います。WinRT の重要な側面の 1 つは、すべてが非同期的であるということです。したがって、Metro スタイル アプリケーションの素早く滑らかな動作を維持するには、この UI が長時間実行される同期的な操作によってブロックされるという状況は避けたいところです。パフォーマンスの向上が見込めるシナリオとしては、考慮する価値のある興味深い例がいくつかあります。たとえば、Windows 7 の IE9 で実行する HTML5/JavaScript アプリケーションを想像してみてください。コードの一部分を抜き出して C# アセンブリへ埋め込み、それを HTML アプリケーションの中から直接参照するという形がよいでしょう。こうすることで、コンパイル済みの C# コードを使用することになり、WinJS 解析エンジンが不要となるため、ある程度パフォーマンスが向上します。C# と JavaScript はどちらも非常にメジャーな言語であるため、WinRT ではこうしたことが可能です。インフラジスティックスは、WPF、Silverlight、jQuery/HTML5、および ASP.NET におけるデータ グリッド/チャートについて業界屈指のパフォーマンスを実現しています。WinRT においても、少なくとも同じレベル (または、それ以上のレベル) のパフォーマンスを提供できるよう努力と工夫を重ねていくことをお約束します。

    C++ の未来とパフォーマンスに関しては、非常に興味深いセッションがいくつかありました。WinRT における C++ の新しい世界を理解するために以下のセッションを是非ご覧になってください。

  • Metro で実行するデスクトップ アプリケーションを作成することはできますか?
    いいえ、Desktop アプリケーションと Metro スタイル アプリケーションの間には非常に明確な境界線が引かれています。境界線を越えたやり取りは行われないため、どのプラットフォームをターゲットとするか選択する必要があります。
  • インフラジスティックスから、いつ Metro スタイルのコントロールが発売されるのでしょうか?
    できる限り早く … かつ妥当な時期を検討しています。インフラジスティックスでは、目下、WinRT と .NET フレームワークでの API の相違点の把握に努めているところです。現在、xamDataChart に若干の修正を加えて WinJS 下の Metro で実行しているという段階ですが、WinRT はまだ利用していません。今から Windows 8 のベータ版が出るまでの間、各コントロールの最新の開発状況をお知らせし、コントロールのアップデート/デモ/ステータスを随時投稿していきます。同様に、ベータ版のリリースから製品版がリリースされるまでの間についても、最新の開発状況を随時お伝えしていく予定です。インフラジスティックスは、最も重要な UI コントロールについて新たなプラットフォームのサポートを常に最優先で実現してきました。ネイティブな WinRT XAML や HTML5/WinJS をターゲットとした Metro スタイル アプリケーションについても、同様のサポートの実現をお約束いたします。
  • これまでと同じようにインフラジスティックスは Windows Forms に投資しつづけるのでしょうか?
    はい、その通りです。11.2 では Windows Forms 向けの新機能/コントロールを提供する予定で、さらに来年以降の 12.1 および 12.2 においても提供をつづける予定です。11.1 では、Word/PDF/Excel 形式での非同期的なエクスポート機能や、Black/Silver 向けの新しい Office 2010 ISL をはじめとして数多くの追加機能 (最も要望の多かったレポート機能など) を実装する予定です。新しい NetAdvantage Reporting 製品は別として、わたしが最も興奮しているのは、CTP に実装される予定の新しい構文エディター/言語解析ツールです。将来は、こうしたライブラリおよびコントロールを使用することにより、 (自動補完のような) 構文解析/編集機能をアプリケーションに統合できるようになります。このため、言うまでもなく、Windows Forms チームは多忙を極め、わが社のロードマップは満杯の状態です。
  • 現行の Infragistics コントロール製品は Visual Studio 11 Developer Preview で動作しますか?
    はい。われわれは、Visual Studio 2011 のビットを携えて、レドモンドにある Microsoft の互換性ラボにここ数ヶ月通いつめ、互換性のテストを繰り返してきましたが、今のところ Visual Studio 2011 Developer Preview で動作しない新しい NetAdvantage Reporting CTP を除いて、致命的な問題はありません。Microsoft が各コード/デザイナー ウィンドウの挙動を変更し、それぞれのタブが 2GB のメモリー空間内に置かれることになった結果、インフラジスティックスのコードに通信問題が発生しました。われわれは、この問題を解決してすべてのコントロール、およびデザイナーを期待通りに動作させるために、ベータおよび RC 期間全体を通して Microsoft との共同作業を続けていく予定です。インフラジスティックスでは、Visual Studio の過去数回のメジャー リリースに関する経験から、ベータ期間中には問題が続出するものと予想しています。バグが見つかった場合にはすぐに Microsoft と共同してバグを修正できる体制を整えています。インフラジスティックスでは Visual Studio 2011 Developer Preview に関する問題点や疑問点を投稿できるVisual Studio 2011 Developer Preview フォーラム (英語) を開設しました。何か問題が起きた場合には、まずこのフォーラムで解決策を探してみてください。
  • 今日から Windows 8 を使いはじめるべきでしょうか?
    Windows の未来と、それがアプリケーション開発の決定事項にどのような影響を及ぼすかを理解しておくことが重要です。Microsoft は Build において UI の未来を垣間見せてくれましたが、忘れてはならないことは、Windows 8 はまだ極めて初期の段階で、少なくとも 1 年先までは市場に現れない製品であるという点です。したがって、製品が進歩して、ベータ版、RC 版、製品版へと進むにつれて多くの変更が加えられるものと予想されます。.NET とデスクトップ アプリケーションは今後長い間サポートされることになるため、インフラジスティックスでは .NET フレームワーク向けの UI ツールを提供・サポートしつづけると共に、新しい WinRT による Metro スタイル アプリケーション向けの新しいコントロール/製品も提供する予定です。わたしは、とりあえず、できるだけ多くの //BUILD セッションを見て Windows 8 と WinRT の把握に努めるつもりです。Windows 8 Developer Preview をインストールしてみようという勇気のある方は、インストールを行う前にマシンのバックアップを取っておいてください。
  • Windows 8 は見た目の通り素晴らしいものでしょうか?
    はい、とてもうまく作られています。実際、わたしは、//BUILD の参加者全員に配られた Samsung 製のタブレット上で Windows Live Writer を使ってこの記事を書いています (もちろん、Bluetooth キーボードとマウスを使用しています)。素早く滑らかに反応する新たな [スタート] メニューが採用されたことに加えて、OS の起動も新たな UEFI サポートによって瞬時に完了するようになっています。また、Windows Explorer には Fluent リボン UI が採用されています。以下に幾つかのスクリーンショットをご覧に入れましょう:

    サムソン製タブレットPCにおける Windows 8 の [スタート] メニュー :



    Fluent リボンを備えた Windows Explorer:

  • インフラジスティックスの製品について、そのほかに知っておくべき変更点はありますか?
    いいえ、今のところありません。今年は驚くべき年で、新たに発売されるソフトウェアの数が最も多い年です。これまでに発売された新製品には次のようなものがあります。

    • NetAdvantage for Windows Phone と、HTML5 ベースの新製品である NetAdvantage for jQuery。
    • 10 月 3 日にアナハイムで開かれる Microsoft SharePoint Conference において新しい NetAdvatnage SharePoint 製品を立ち上げる予定です。この製品により、エンド ユーザーはインフラジスティックスの使いやすい Web Part デザイン タイム エクスペリエンスを使用してダッシュボード エクスペリエンスを作成できるようになります。
    • 11.2 が発売される 11 月には、新しい NetAdvantage Reporting 製品の発表と、新しい NetAdvantage for LightSwitch 製品のセカンド リリースがあります。
    • HP Quality Center と、NetAdvantage for WPF または NetAdvantage for WPF Data Visualization を併用している方にとっては、新しい TestAdvantage for WPF 製品が 11 月に発売されるという嬉しいニュースがあります。これにより、NetAdvantage を使用して構築された WPF アプリケーションに関する UI/回帰テストを完全に自動化できるようになります。


    これは、継続的なサポートや、NetAdvantage for ASP.NET に対する追加機能の価値を下げるものではなく、もちろん、Windows Forms、Silverlight、および WPF 製品について何を行うかはすでに述べた通りです。エキサイティングな年を迎えて、インフラジスティックスは各主要製品に期待される価値と品質を提供しつづけていきます。

このページをブックマークしておいてください。Windows 8 に関する貴重な情報が入り次第、本ページでお伝えいたします。

 

*この文章はインフラジスティックス本社副社長で技術責任者のジェイソン・ベレスによって書かれたものの和訳版です。